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モーターボートについて
競艇で使用されるボートについて
「ボート」には様々な形がありますが、現在の競艇で使用されるボートは「ハイドロプレーン」というものに統一されています。このハイドロプレーンは、水上競技用のボートとして理想的な構造となっており、大きさも全長2m85cmとボートとしては小柄な作りになっています。
ハイドロプレーンの構造の仕組みとしては、「空気の抵抗」と「水の抵抗」の両方を考慮し、それらを上手く利用したものとなっています。競艇ではボートの性能において限界に近いほどのスピードを出しますが、ハイドロプレーンの場合はスピードを出せば出すほどボート前面に受ける空気抵抗が大きくなり、ボート前部がそれによって持ち上げられる仕組みになっています。加速に伴ってボート前部が空気抵抗によって持ち上げられると、ボートと水との接地面積が少なくなり、結果として水から受ける抵抗が減ることから効率良く加速できます。水から受ける抵抗は空気抵抗よりも遥かに大きなものであるため、水上で行われる競技としてはこのハイドロプレーンは非常に効率の良い設計がなされていると言えます。これらボートはそれぞれの会場でしっかりと管理されていますが、モーター抽選において選手がどのボートを使うかというのもファンとしては見逃せないところでしょう。使用されるボートの全てが統一されているとは言え、やはりそれぞれのボートには独特のクセや個性があるものです。新艇のボート、破損交換履歴のあるボート、使用年数期間満了間近のボート、それぞれの特徴をよく分析し、自分の走行とそれに合ったプロペラをチョイスして調整を行うのも、選手の腕の見せ所であると言えます。
モーターボートの各部名称とその役割について
さて、それでは次に競艇で使用されるボート「ハイドロプレーン」の各部品について触れていってみましょう。整備・調整情報などにおいてもボートの部品に関した情報などは度々挙げられるので、競艇ファンであればこれらについて知っておいても損はないでしょう。
まずは「キャブレタ」ですが、これはモーター内部で燃料が燃焼しやすいように、燃料をきりふきのような霧状に変換してそれを取り込む箇所を言います。これによって燃料の燃焼効率などが決定付けられてきますが、温度や湿度、気圧などの影響をもっとも受けやすい箇所でもあり、天候にも左右されやすい部分でもあります。どのように調整されるかによって、燃焼効率は大きく違ってくるでしょう。
次に「電気一式」ですが、これには点火プラグなども含まれます。燃料の爆発は、ガスコンロや自動車などと同様に電気火花によって発生させられますが、このプラグの点火が弱かったり、点火のタイミングが狂っていたりすると、これもまた燃焼効率が悪くなり、ボートの走行そのものに直接影響してきます。ほとんどの場合、選手達が各自でプラグを持参します。
また、「シリンダーケース」は、燃料の爆発によってピストンの反復運動が行われる箇所で、エンジンの核とも言える部分です。手を加えることによって状態が改善する事もありますが、逆に悪化させてしまう事もあります。調整で手を入れるにはちょっとした冒険となります。「ギヤケース」は、選手が持参するプロペラとモーターを繋ぐ重要な部分で、プロペラをセッティングする際には必ずと言っていいほど調整が行われます。
モーターボートのエンジンについて
競艇で使用されるボートのエンジンは、それぞれの会場によって使用される種類は異なりますが、総排気量が396.9ccの水冷2サイクルモーターを使用することが決められています。
さて、それでは肝心のエンジンの種類についてですが、競艇で使用されるエンジンの種類としては主に「標準式」「消音式」「電波障害対策式」の三種類を挙げることができ、各会場ではこれらのうちのいずれかのタイプのボートが備えられています。もっとも広く使用されるのが「標準式」のボートであり、ほとんどの会場で備えられているのがこのタイプのものであると言えるでしょう。ボートとして標準的な構造となっており、各々の個体差を抜かせばいたって普通のモーターボートであると言えます。
「消音式」は、レース時に発生するモーターボートの騒音などを考慮して設計されたボートであり、通常の「標準式」のボートよりも幾分かエンジン騒音が抑えられた設計なっています。基本的な設計は標準式とあまり変わりませんが、やはり標準式ほどの馬力を望めないといった面があります。もちろん同一会場においては全ての選手に同一式のボートがあてがわれるため、レース結果そのものへの影響は皆無と言えますが、たとえば各会場におけるボートにまでこだわるようなコアな競艇ファンからすれば、標準式のものよりも多少見劣りするものであるかも知れません。「電波障害対策式」はその名の通り、電波障害を引き起こさないよう設計されたものですが、これも「消音式」と同様、「標準式」ほどのパワーは望めないと言えます。
ボートの状態を示す用語について
競艇ではモーター廻りを指すのに度々「足」という言葉が使用されますが、ここではこの「足廻り」においてその状態を指し示す用語を中心に触れていってみましょう。
まず「伸び・伸び足」というものですが、これは直線などにおいてのボートの加速または最高速度からの舟足などを表すものです。伸びの善し悪しはボートの性能を判断する重要な一要素ともなります。次に「出足」についてですが、これはレーススタート時や、コーナーでの減速から立ち上がる際などの加速力、馬力などを指します。選手がレバーを握ってからどのくらいでモーターがしっかり反応するかというのは、レースにおいても非常に重要な要素となり、出足の良い選手(ボート)は当然レースにおいても有利であると言えます。
「行き足」は、レーススタート時のボートの加速力を表します。これはほぼ完全にモーター・プロペラの性能、マッチングに依存するところであり、また、これによってレース展開が大きく変わってきます。行き足が良いと有利にポジショニングを進める事も可能となります。「回り足」については、文字からも分かるように、主にコーナーリングからの立ち上がりなどを表すのに使われます。コーナーリングでは選手の技術も強く反映されるため、これはボートの状態というよりも「選手の腕」を指す言葉であると言えるかも知れません。さらに、「乗りやすさ」は、簡潔に言ってしまえば「舟の安定感」を指しています。選手によってボートのどこの部分に力を入れて調整・整備するかが異なってきますが、特にスピードなどを重視した選手にとっては、この「乗りやすさ」がレースの鍵となると言っても過言ではないでしょう。